昔から根強い人気を持つトレーディングカード。
著名人やキャラクターのカードを集めたり、ゲームの対戦をしたり、夢中になった方もいるのではないでしょうか。
NFTトレカは、トレーディングカードに資産価値を付与するブロックチェーン技術で、唯一性が証明できるため、NFTとの相性は非常によく、アイドルやスポーツ選手のトレカやゲーム内で手に入れられるアイテムなどに活用されています。
従来のトレーディングカードとは違い、NFTトレカは、音楽や画像、映像などデジタルならではのコンテンツを楽しめ、トレーディングカードの可能性を広げています。
では、具体的にNFTトレカとはどんな特徴や課題があるのでしょうか。
また、実際にどのようなNFTトレカが注目されているのか気になりますよね。
本記事では、NFTトレカの特徴や、メリット・デメリットについて解説します。
NFTトレカとは
NFTトレカとは、ブロックチェーン技術を活用したトレーディングカードのことです。
それぞれのカードに固有のデータがあり、ブロックチェーン技術により唯一無二の存在だと証明されています。
そのため、他のNFTと同じく、コピーや偽造が困難なため希少価値が発生します。
NFTトレカの事例
記事執筆時点において、NFTトレカは主に次のような種類があります。
- アイドル関連
- スポーツ関連
- ゲーム関連
それぞれ、順番に解説します。
アイドルのトレカ
日本国内で例をあげると、SKE48や、ももいろクローバーZのNFTトレカが販売されています。
・アイドルグループSKE48のNFTトレカ
アイドルグループ「SKE48」では、これまで複数のシリーズのNFTトレカが発行されています。
「SKE48 12th Anniversary Fes 2020~12公演一挙披露祭~NFTトレカ」
「新成人メンバーの晴れ着シリーズ」
「卒業コンサートいきなりNFTトレカ」
これらのNFTトレカは、デジタルならではの、メンバーの画像や音声、動画などが閲覧可能です。
限定販売のため、プレミアム感溢れており、ファンにとっても大変魅力的です。
また、人気ブロックチェーンゲーム「クリプトスペルズ」ともコラボレーションをおこないカードバトルにも使用できるなど、従来の紙ベースのトレーディングカードにはない付加価値を実現しました。
ももいろクローバーZのNFTトレカ
ももいろクローバーZのメンバー写真をベースにしたさまざまなデザインのNFTトレカも発行されています。
NFTトレカの中には当たりの特典があるもの、条件をクリアすると特別なインセンティブのプレゼントが付与されるものなどさまざまな魅力が盛り込まれたNFTトレカが展開されています。
引用:https://momoclo.nft-official.com/
アイドルのトレカは、アイドルのコンテンツそのものに興味がある人がNFTコンテンツを利用するきっかけにもなりやすいため、これらを通じてNFTが世間に広まる期待が高まります。
スポーツ選手やチームのトレカ
国外ではスポーツ選手やチームのNFTトレカが人気を集めています。
NBA Top Shotは、アメリカのバスケットボールのNBA選手の試合でのプレーのハイライトを、NFTとして所有できるNFTトレカです。
NFTのデジタルカードには、試合中の選手のスーパープレーの動画が格納されています。
動きのあるスポーツは、静止画よりも動画で見られるのはファンにとってとても魅力的ですね。
NBAではサービス開始後5ヵ月間で約2億3000万ドル(約253億円)もの市場規模になりました。
参照:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sports_content/pdf/003_02_00.pdf
ゲーム内で使用できるトレカ
ゲームのバトルに使用するトレーディングカードも、NFTによって楽しみ方が広がっています。
バトルだけに限らず、ゲーム内で入手したトレカを自由に売買することや、NFTコンバーターを通して、別のゲームのアイテムとして使用できるものもあります。
クリプトスペルズのトレカ
日本を代表するNFTのトレーディングカードゲームの「クリプトスペルズ」は、ユーザー投票などにより、ユーザーが主役になれる仕組みが取り入れられていたり、ゲーム内で獲得ができる「カード発行権」を行使してユーザーがオリジナルカードを発行できます。
また、ゲームプレーをする中で、暗号資産(仮想通貨)を入手し換金することも可能です。
サッカーくじのようなトレカSorare
Sorareは、世界140以上ものサッカークラブとライセンス提携をしているファンタジーボードゲームですが、実際の試合での戦績がスコアに反映されるなどリアリティのあるゲームで、とても人気があります。
まず選手のデジタルカード(NFT)を集めて、チームを編成し、合計スコアをプレイヤー間で競います。チームが好成績を収めると、報酬として新規カードやイーサリアムがもらえます。
合計スコアはリアルの試合での選手の活躍に連動しているため、強い選手のカードは価値が上がります。価値のあがったカードを売買して利益をあげることもできます。
NFTトレカの特徴
NFTトレカには主に以下の特徴があります。
- カードに資産価値が付く
- レアカードの価値が高い
- 音声や動画も楽しめる
カードに資産価値が付く
NFTトレカにはカードの発行枚数、所有者、取引履歴などが記録されます。
透明性が高く改ざんできないので、他のNFTと同様に資産価値が付きます。
NFTトレカは、カード自体の価値が変動するため、株や不動産のように資産化するのが特徴です。
レアカードの価値が高い
デジタル技術のNFTトレカは偽造が困難で劣化しにくいので、通常のトレカに比べてレアカードの価値がより高くなることがあります。
例として次のようなレアカードの取引がありました。
NBAのレブロン・ジェームスのNFTトレカ
「NBA Top Shot」は、人気のトレーディングカードのデジタルプラットフォームで、ブロックチェーンの技術が使用された新たな形のトレーディングカードサービスを提供しています。
「NBA Top Shot」で扱われているトレーディングカードは全てNFTとして発行され、カードの中にNBA選手のプレー動画が格納されています。
「NBA Top Shot」の中でも高額で売却されたカードの一つが、レブロン・ジェームズのNFTカードで、約23万ドルで取引されました。
このように、人気選手のスーパープレーは一千万円を超える高額な取引がおこなわれています。
二次流通も盛んで、ファンのみならず、投資家からも注目をあびています。
参照
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sports_content/pdf/003_02_00.pdf
https://www.caica.jp/media/crypto/nba-top-shot-about/
音声や動画も楽しめる
NFTトレカによってはオリジナルの音声や音楽、動画が内包されている場合があります。
カードのイラストや写真だけでなく、音声や動画も楽しめるのはデジタルならではのNFTトレカの特徴です。
NFTトレカの課題
NFTトレカの課題として主に以下があげられます。
- 購入時にガス代がかかる
- マイナーで認知度が低い
購入時にガス代がかかる
マーケットや支払い方法によっても変わりますが、購入時にガス代(手数料)がかかることがあります。
手数料を暗号資産(仮想通貨)で払う場合、その時の価値に応じて手数料も変化するので注意が必要です。
マイナーで認知度が低い
注目度があがってきたとはいえ、まだまだNFTやNFTトレカの認知度は低いです。
現時点だと、NFTに魅力を感じている方か、NFTトレカの題材となっているアイドルやスポーツ選手のファンが購入するケースが多いです。
それだけに、今後のNFTの進化とともに認知度も高まった時の将来性が期待できるともいえます。
NFTトレカと他のNFTコンテンツとの違い
NFTを用いたデジタルコンテンツとして主に次のようなコンテンツがあります。
- NFTアート(NFT写真やNFTイラストなど)
- NFTゲーム
- NFT音楽
NFTトレカと、上記の他のNFTコンテンツとの違いを説明します。
- ゲーム内で使用できるカードがある
- 他のNFTに比べ、コレクション性が高い
ゲーム内で使用できるカードがある
トレーディングカードという特性を活かし、実際のゲーム内で使用できるものがあります。
ゲーム内で獲得したNFTトレカを別のゲームで使用できる場合もあります。
他のNFTに比べコレクション性が高い
通常のトレカと同様にカテゴリーやレア度があるため、他のNFTよりコレクション性と流動性があります。
実際、NBAのNFTトレカの市場は取引のうち95%が二次流通を占めています。
https://www.kobe-np.co.jp/media-money/contents/cryptocurrency/what-is-nfttoreca
参照:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sports_content/pdf/003_02_00.pdf
参照:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sports_content/pdf/003_02_00.pdf
まとめ
ここではトレカの特徴、メリット、デメリットについて紹介しました。
- NFTトレカはデジタルコンテンツながら、唯一無二の証明がされている
- そのため、NFTトレカの内容によってはファン人気が非常に高く、資産価値が付きやすい
- 劣化や収納場所も気にする必要がなく、国も注目していて将来性も期待できる
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【参考文献】
「NFTビジネス見るだけノート」 増田雅史監修 宝島社
「NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計までデジタルデータが資産になる未来」 天羽健介、増田雅史 朝日新聞出版
「図解ポケット デジタル資産投資 NFTがよくわかる本」松村 雄太(著)秀和